農家もやってる？SNS活用術｜販路・ファンづくり・情報収集に役立つ発信のコツ

「農業とSNSって関係あるの？」と思われがちですが、いまや多くの農家さんがInstagramやX（旧Twitter）などを通じて、情報発信や販売促進に活用しています。スマホ一台あれば無料で始められて、自分の農業の魅力をダイレクトに伝えられるSNS。

今回は、農家がSNSを活用するメリットや、どんなSNSが人気なのか、何を投稿すればいいのかを初心者にもわかりやすく紹介します。「SNSなんてやったことない…」という方も、読み終えるころには「これならやれそう！」と思えるかもしれません。

なぜ農家がSNSを活用するの？｜3つのメリット

1. 直販・販売のチャンスを広げられる

SNSでは、作物の栽培の様子や収穫風景、出荷の様子などをリアルタイムで伝えることができます。こうした投稿が「この農家さんの野菜、美味しそう」「応援したい」と思わせるきっかけになり、DMやコメントを通じた問い合わせ、注文につながることもあります。

近年は、ネットショップと連携した販売も一般化してきました。SNSでファンを増やし、自分の作った野菜を直接届けるスタイルが注目されています。

2. 仲間とつながれる｜情報交換・励まし合い

農業は一人で取り組むことが多く、孤独になりやすい仕事でもあります。そんなときSNSは、他の農家さんとつながる「居場所」にもなります。

日々の農業のちょっとした出来事や悩み、喜びを共有することで、共感や励ましを受け取れるのです。また、勉強会やセミナー、補助金情報などもSNSで流れてくることがあり、情報収集のツールとしても活用できます。

3. 効率よく“見つけてもらえる”ようになる

インターネット検索だけでは届かない層にも、SNSなら写真や動画を通じて農業の魅力が伝わります。農作業風景や育てている作物の様子、季節の変化など、日常の何気ないシーンが多くの人にとって新鮮で魅力的に映ります。

とくに、就農を目指す若者や、食に関心のある消費者にとって、SNSはリアルな農業の“今”がわかる貴重な情報源です。

どんなSNSを使うべき？農家に人気のプラットフォームとは

SNSの種類はすでにご存知の方が多いと思いますが、それぞれのSNSには異なる特徴や強みがあります。大切なのは、どのプラットフォームが自分の目的に合っているかを理解することです。農業においては、視覚的な魅力を伝えることが重要なため、特に**Instagram（インスタグラム）**が非常におすすめです。自分に合ったSNSを選んで、まずはその特徴を活かして発信を始めてみましょう。

Instagram｜写真中心でファン化しやすい

農業ととくに相性が良いのがInstagramです。写真や短い動画で直感的に魅力を伝えることができるため、作物の色づきや畑の景色、収穫の喜びなどが視覚的に響きます。

ハッシュタグを活用すれば、まだフォローされていない人にも投稿が届きやすくなります。たとえば「#朝採れ野菜」「#農業女子」など。

X（旧Twitter）｜リアルタイムで気軽に交流

短文投稿で気軽に発信できるX（旧Twitter）は、作業中のひとことや、天候のこと、農機具のことなど、気軽につぶやくスタイルが合っています。

投稿がリポストされることで拡散力が高く、一気に多くの人の目に触れる可能性もあります。

YouTube｜作業風景やノウハウの動画化も人気

少しハードルは上がりますが、動画での発信に挑戦できる方にはYouTubeもおすすめです。たとえば、種まき・収穫・出荷の流れや、農機具の使い方、失敗談の共有など、動画だからこそ伝えられる臨場感やノウハウがあります。

SNSで何を発信すればいい？投稿ネタのヒント5選

SNSを始めてみたものの、「何を投稿すればいいのかわからない…」と手が止まってしまう方も多いかもしれません。でも安心してください。日々の農業の中には、立派な“ネタ”がたくさん隠れています。ここでは、農家がSNSで発信しやすく、見ている人にも喜ばれる投稿ネタを5つご紹介します。

• 今日の作業日誌
  日々の作業内容をそのまま発信するだけでも、農業のリアルが伝わります。「今日は苗を定植しました」「草取りが大変でした」など、作業の流れや感想を簡単にまとめるだけでOKです。継続して投稿すると、作物の成長記録にもなります。


• 作物の育ち具合
  発芽の様子や、ぐんぐん伸びていく茎、色づき始めた実など、育っていく過程は多くの人にとって興味深いものです。週に1度くらい、定点で写真を撮って成長記録として投稿するのもおすすめです。


• 自然・天候の記録
  農業は天候と密接に関わっています。空模様や気温、風の強さなど、「今日はこんな天気でした」とひとこと添えるだけでも、地域の雰囲気が伝わります。季節感を伝える投稿は共感を呼びやすいです。


• 道具・農機具紹介
  農家さんが日々使っている道具や農機具は、一般の人にはなかなか触れる機会がありません。「この鍬は祖父の代から使っている」「このトラクターが超便利」など、ちょっとしたエピソード付きで紹介すると興味を引きます。


• 失敗談やハプニング
  すべてがうまくいくわけではないのが農業。失敗したことや思わぬトラブルも、正直に投稿すると「わかる〜！」「大変ですね」とリアクションが返ってくることも。共感や応援につながる、意外と大事な投稿ネタです。

農家SNS初心者におすすめのスタート術

• まずは“見る専”から始めよう


• 完璧な写真や文章はいらない


• 投稿頻度は自分のペースで


• 共感されることが大切

まとめ｜農家こそSNSの発信力を味方につけよう

農家とSNS、一見関係なさそうですが、実はとても相性のよい組み合わせです。販売促進だけでなく、仲間づくりや日々のやりがいにもつながる可能性があります。

はじめは緊張するかもしれませんが、気負わず、ありのままの農業を発信してみましょう。「見てくれる人がいる」と思えることは、日々の作業のモチベーションにもなります。