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農作業の省力化につながる注目の技術5選【2025年版】


執筆者:髙木 憂也
メガデル運営部(株式会社タカミヤ)

日本の農業は慢性的な人手不足と高齢化が進む中、作業の効率化・省力化が急務となっています。こうした課題を解決するために、現在注目されている最新技術を厳選し、その特徴や導入効果を詳しく解説します。これらの技術は農作業の負担軽減だけでなく、生産性の向上や持続可能な農業経営にも寄与するものです。

本記事では技術紹介と、導入事例のご紹介をします。お近くの地域や、同じ作物を栽培しているなど、是非ご参考にしてください。



1. 自動潅水システム



自動潅水システムは、水やりのタイミングや量をセンサーと連動して自動制御する技術です。

従来の手動潅水では時間と労力がかかるうえ、水の使いすぎや不足による作物の生育不良リスクもありますが、このシステムを導入することで、常に最適な水管理が可能となります。農林水産省のスマート農業推進資料では、特に乾燥地域や大規模栽培圃場での活用が推奨されています。

水資源の節約にもつながり、IoT技術の進展によりスマートフォンからの遠隔操作やモニタリングも可能なシステムが増えています。

これにより作業者は現場に常駐せずとも効率的に管理でき、省力化に大きく貢献しています。




2. ドローンによる農薬散布



ドローンによる農薬散布は、手作業やトラクターによる散布に比べて作業時間の短縮と高精度散布を実現します。農林水産省のガイドラインにより、ドローン利用に関する法的基準や安全規制が明確化され、導入しやすい環境が整っています。

ドローンは狭小地や傾斜地でも活用でき、農薬の散布量も正確にコントロール可能です。農薬使用の最適化と環境負荷の軽減に寄与し、散布計画の自動化やGPS連携による経路管理も進んでいます。

熟練者の不足する現場でも効率よく作業が行え、農業従事者の負担軽減と品質管理の向上に貢献しています。



3. 散乱光POフィルム



散乱光POフィルムは、ハウスの被覆材として使用され、日光を均一に散乱させることで作物の光合成効率を向上させる技術です。

従来の透明フィルムでは直射日光が強い部分と影になる部分の差が大きく、生育ムラが発生しやすいですが、散乱光フィルムの導入により光が全体に行き渡ります。これにより作物の均一な成長を促進します。2024年の農業資材新聞の調査では、生育均一化による収量増加や品質向上が報告されています。

特にトマトやイチゴなど施設園芸で注目されており、紫外線カットや耐候性の向上も図られています。フィルムの寿命延長によるコスト削減効果も期待できますが、市場規模や普及率に関する最新の公開データは限られています。




4. スマート温度・湿度管理システム



IoT技術を活用した温度・湿度管理システムは、センサーでリアルタイムに環境データを収集します。

AIやクラウド技術を用いて最適なハウス環境を自動制御し、人手による頻繁な環境調整が不要になります。

農林水産省スマート農業レポートによると、特に冬季の加温や夏季の換気管理で効果を発揮します。作物の生育に適した環境を安定的に維持することで収量や品質の向上にもつながっています。

遠隔操作やアラート機能が充実しており、作業者が現場に常駐しなくても管理可能です。ただし初期費用がかかるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。




5. 自動収穫ロボット(最新動向)



自動収穫ロボットは人手不足対策として注目されている技術です。

最新のロボットはAIや画像認識技術を活用し、成熟度の判別や果実の傷つけない収穫を実現しています。

農研機構の報告では、イチゴやトマト、リンゴなどで実証試験が活発に行われています。しかし導入コストの高さや操作の複雑さ、現場への適応性など課題も多く、普及率はまだ限定的です。

また収穫ロボットの導入には農地の整備や栽培方法の見直しも必要な場合があります。単なる設備導入だけでなく、農業の作業フロー改善と合わせて検討する必要があります。2025年の農業機械展では新モデルの発表や実証事例が増加しており、数年内の普及が期待されますが、現時点での詳細な普及データは不明です。




九州各地で広がるスマート農業技術の活用



国や県などがスマート農業の導入事例を紹介しています。九州農政局では、事例紹介として、どんな効果があったかや導入にあたって利用できた補助金などが掲載しています。


以下の資料に事例を写真付きで紹介されていますので、是非ご覧ください。


農林水産省 九州農政局「スマート農業技術の導入事例」


まとめ・今後の展望


以上の5つの技術は現在注目されている農作業の省力化技術です。

導入にはコストや運用体制の調整など課題もありますが、生産性向上や持続可能な農業経営に重要な役割を果たします。最新動向を注視し、自身の農業スタイルや経営規模に応じて適切な技術を選択することが大切です。

メガデルでは農業資材やハウス施工の相談を案件登録制で受け付けています。省力化設備の導入や施工を検討される方はぜひお気軽にご利用ください。




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出典:農林水産省 スマート農業推進フォーラム2024 in 近畿
出典:農林水産省 スマート農業技術カタログ(果樹)
出典:農林水産省 スマート農業活用促進資料
出典:農林水産省 東北農政局 スマート農業フォーラム資料
出典:農研機構 2024年度スマート農業プロジェクト
出典:宮崎県 自動収穫ロボット実証中間報告
出典:農林水産省 九州農政局「スマート農業技術の導入事例」
出典:農業資材新聞(紙媒体・2024年版)